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第24回

今回は、早稲田大学大学院会計研究科の秋葉賢一氏から「金融商品会計基準―評価と債権償却の動向―」と題する報告を受けて議論した。「いまやIFRSを知らずして顧客と金融商品の話をすることはできません。まだ確定していないことも多いので、たとえばIFRSですべての商品がどう処理されるのか予知能力があればお客様から引っ張りだこです」とするメンバーから、「国際会計基準とはなんですか?」「誰がどうやって決めるの?決めたら日本で適用される基準になるのですか?」「話題になっていることがしばしば新聞等に登場するけど、よくわからないね。そもそも国際会計基準というより会計基準がなぜ話題になるの?なぜ重要なの?」などというpuzzlesに悩まされるメンバー、さらに「そういうことが話題になっていることさえ知らなかった・・・」というメンバーまで含まれるフォーラムにお越しいただいた秋葉さんに感謝しなければならない。
メンバーである大日方氏に大雑把な趣旨をお話してお願いしたが、「メンバーの関心がどういう点にあるか?何を話題にするか?」「どのように説明したら理解されるか?」から、「理解可能か?」「対話が成立するか?」「議論になるか?」などまで多くの点で戸惑わせ、少なくとも事前には少なからぬご心労をおかけしただろう。とはいえ、ご用意いただいたメモに沿っては議論が進まず、開始早々からの質問とそこから派生する脱線などでいつもの如くあっという間に9時になり、「そろそろ・・・」とお開きにした。大日方さんには、メンバーの(潜在的)関心を整理して秋葉さんに引継いで回答を引き出す介添え役兼実質的進行係の役割を果たしていただいた。
たとえば、日頃、企業の財務データを見る機会が少なくないメンバーも、「利益」のみならず「売上げ」「コスト」も会計ルールに従う報告に基づくという、言われてみれば当然のことに改めて注意を促された。分野ごとの特性を反映して100以上の売上げ計上ルールが存在しルール相互間の整合性のチェックに関心が向くアメリカのような国と、そのような多様なルールが存在しない日本のような国では、たとえば、「売上げ」といってもその実質的内容が大きく異なるおそれがあること、経済のサービス化の進展と共にその深刻さが増大していることに気づき、「やれやれ」と思った参加者は三輪だけではなかっただろう。
金融商品に関わるものに限らず、国際会計基準の作成ははなはだしく生臭いものであることは想像に難くない。過去の長い経緯(2001年に国際会計基準審議会(IASB)になる前の国際会計基準委員会(IASC)の時代にまで遡る)や、現在の進行状況と今後の方向性、EUとアメリカ合衆国との関係などに関する説明、日本(政府)の関わり方、さらに一連の経過に関する日本の新聞等の報じ方に関する解説など、多くの初心者や全く知らない者を含む多様な参加者にとって、少なくとも関連する話題に接近するための糸口確保に大きく貢献する有益な会合であった。
「たとえば、新聞や雑誌の記事・論説を見て疑問等を抱き、あるいはもう少し知りたくなった時に、真っ先にどこへ行き何を参照することお勧めになりますか?」という最後の質問は、笑顔で「それは微妙なご質問ですね・・・」といなされてしまった。「逆の立場に立てば、同じ行動を取るかもしれないな」と頷いた。
無理な注文に応じてお越しいただき我慢強く相手をしていただいた秋葉さんと、仲介役、さらに介添え役兼実質的進行係の役割を果たしていただいた大日方さんに深謝します。

 当日用意された秋葉さんの報告用メモは下記からダウンロードできる。