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第1回会合

「もはや『このままでは日本の財政は破綻する』などと言っている悠長な状況ではない」とし、「財政破綻後の状況や破綻後に直面する国民的課題・政策課題に焦点を合わせた議論・研究を開始する必要がある。」われわれの間にこのような話題が登場したのはかなり昔のことである。「『専門』でもないし・・・、ただでさえ忙しいから」と言いつつ、「誰か・・・」と期待してきた。実現可能性が高いとは考えていなかった。「具体的に何に焦点を合わせて、どのように検討すればよいか?」「開始したとして、ほとんど利活用を期待できない関連情報・資料の壁に、どのように対応するか?」「この騒々しい世の中で、こんなpolitically and/or socially sensitive issuesを取り上げたらどういうことになるか・・・?」などと考え、「誰か、若くて元気な人・・・」と見果てぬ夢を抱くことになってきた。
 3月15日のCARF特別セミナーで貝塚氏が「財政再建の変質――目標として説得力を失うか?」と題して報告し、フロアから三輪が上記の如き話題を提示したことが本研究会発足への直接の契機となった。討論者の井堀氏のみならず、少なからぬ参加者が「その通りだ・・・」との反応を示した。3月末に東大を定年退職して大阪に本拠地を移した三輪が5月初めに貝塚氏と京都で会食し、本研究会の発足およびその具体的内容について協議した。
 CARF(東京大学金融教育研究センター)に拠点を置くことなどの基本的枠組みと研究会の運営体制を決定し、参加メンバーを確定し、第1回会合を6月22日夕刻に開催することとした。メンバーへの参加呼びかけのためにも研究会の活動内容のイメージを具体化する作業が不可欠と考え、関係者の協力を得ながら、具体的検討課題のリストを作成し各課題の検討内容・方法を三輪が例示・整理した。
 6月22日の第1回会合は、事前に配布した「論点整理メモ」に基づき三輪が研究会発足の趣旨と運営の基本的な考え方、主要な論点の候補などについて説明し、意見交換を行った。研究会発足の基本的狙いと「何が始まろうとしているのか?」という点についてこれでようやく不十分ながらもイメージでき始めた参加者も少なくないはずである。(関心のある読者のために、このメモに何度かの改訂を加えたものが下記からダウンロードできるようにする。)
 7月27日の第2回会合までに、研究会の名称の決定を含めた残された課題の検討を進めつつ、各メンバーの関心の強い分野を中心に検討課題およびその内容・方法のさらなる具体化を進めることとした。同時に、当面の全体会合のものとして次の如き検討課題を想定した:(1)今後の財政収支の見通し;(2)国債価格の下落が金融機関や年金基金に与える影響の大きさとその社会的影響の方向;(3)財政破綻が年金に与える影響の大きさと態様;(4)財政破綻が医療保険と医療産業に及ぼす影響の大きさと方向性・態様;(5)「財政破綻」後の姿とscenariosについて歴史に学ぶことを想定し、たとえば、ソ連邦崩壊後の旧ソ連・東欧諸国の姿・状況に関する情報収集。さらに、中国返還前後の香港、混乱期のアルゼンチンやメキシコ、最近の南欧諸国などの状況について。(文責:三輪芳朗)