ワーキングペーパー

会計

J-series

作成:

番号:CARF-J-037

日本企業の利益情報の価値関連性−サーベイ:世界から見た日本−

著者:大日方 隆

Abstract

この論文の目的は、世界の人々が日本の会計をどのように見ているのかを確認することである。この論文では、日本を含む国際比較の先行研究を対象にして、利益情報の有用性、なかでも価値関連性(value relevance)に着目しつつ、世界の研究者が日本企業の利益情報の有用性をどのように評価しているのかをサーベイする。成文法、金融取引規制や会社法における投資家保護、企業系列やメイン・バンクに象徴される日本企業のガバナンスなどが、日本の利益情報の価値関連性を低める原因になっているという見方が、世界ではすでにステレオタイプになっている。しかし、いずれの要因についても、利益の情報価値との因果関係はいまだ明確ではなく、そうしたステレオタイプを否定する実証的証拠も、多数提示されている。このサーベイによって、先行研究の問題点があきらかにされるとともに、将来研究すべき課題や示唆があたえられる。

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