数量ファイナンス
J-series
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番号:CARF-J-038
非経路依存型バランスシートアプローチ
Abstract
この論文は、企業の信用リスク評価の構造型アプローチに、短期負債と長期負債の区別を取り込むフレームワークを提示する。池田・小林・高橋(2005)では短期負債の償還をすべて新たな短期負債の発行によって行うと仮定したため、将来の負債残高が資産価値の経路に依存しモデルが複雑になる問題点があった。本論文ではその問題点を回避するため、将来の負債額面を一定と仮定することにより経路依存性のないモデルに改良した。モデルの改良により、クレジット・デリバティブのプライシングへの応用が可能になり、その例として転換社債のプライシングを行った。