ワーキングペーパー

数量ファイナンス

J-series

作成:

番号:CARF-J-046

不動産価格とキャップ・レートの合理的な予測可能性

著者:吉田二郎

Abstract

資産価格に時系列の自己相関が見られる場合、しばしばバブルなどの非合理性の存在や市場の非効率性が議論される。本稿では、キャッシュ・フローに予測可能な要素が含まれる場合、資産価格にも合理的な予測可能性が生じることを示す。特に、不動産市場では資産供給調整の制約から、不動産キャッシュ・フローにオーバーシュートの形で予測可能な要素が組み込まれ、それが予測可能な資産価格に結びつく。合理的なキャップ・レートは、資産価格のオーバーシュートを抑えるように変動するが、それでも資産価格には合理的な予測可能性が現われる。非合理性や非効率性を検証する際には、ベンチマークとなる合理的価格の予測可能な要素を慎重にコントロールする必要がある。

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