ワーキングペーパー

マクロ金融

J-series

作成:

番号:CARF-J-060

金融危機と中央銀行の役割: ゼロ金利政策、量的緩和政策、および信用緩和政策

著者:福田慎一

Abstract

本稿では、1990 年代後半から2000 年代前半にかけての日本における非伝統的金融政策のあり方を概観すると同時に、信用緩和政策という観点から再検証する。「流動性の罠」のもとで有効な政策として、(I)将来の政策の予想のコントロール、(II)バランスシートの規模の拡張、(III)特定資産の大量購入(信用緩和政策)、の3つが提案されている。当時日銀が行った非伝統的政策は、モラルハザードを伴いながらも、信用緩和政策として一定の効果を発揮した。ただし、当時の金融危機は、流動性不足よりも、貸出の不良債権化が深刻な問題であり、この点では当時の信用緩和政策には限界があった。

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