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近世の覇権国と通貨金融

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西欧近世における覇権国の盛衰は遠隔地貿易の利権と深く結びついていた。貿易上の優位は、通商ルートの要所になる地理的条件、商人や金融業者との関係にも依存していたが、当時は軍事力や重商主義政策のはたす役割がとりわけ大きかった。イギリスの例にみられるように、軍備の拡充は徴税や借り入れ能力に依存し、公債の発行や取引は内外資本市場の発展と軌を一にしていた。貿易は為替手形による決済を促し、信用貨幣は貴金属貨幣と並行して流通していたが、貴金属貨幣には改鋳(悪鋳)が度重なり, それが物価上昇の一因になっていた。
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