ワーキングペーパー

会計

J-series

作成:

番号:CARF-J-081

利益率の平均回帰傾向(1) – 法人企業統計データのパネル分析(1) –

著者:大日方隆

Abstract

この研究は,法人企業統計データを対象として,企業の利益率が産業平均に回帰するか否かを検証したものである。利益率の分子となる利益は,売上総利益,営業利益,経常利益,税引前利益,当期純利益の5 つの多段階利益を採用し,分母のデフレーターには,前期末総資産,前期末純資産(株主資本),売上高の3 つを選択した。部分調整モデル(partial adjustment model)を用いて,通常のOLS,GMM-HAC(heteroscedasticity and autocorreration consistent),固定効果モデル,Fama-MacBeth の2 段階回帰などのパネル分析を行った。利益率が産業平均を超えているか否か,すなわち,超過利益(率)の正負によって調整速度は異なるものの,利益率は産業平均に回帰することが確かめられた。また,多段階利益ごとに,それ自体の持続性,超過利益の持続性,調整速度などが異なることがあきらかになった。

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