マクロ金融
J-series
作成:
番号:CARF-J-047
ファイナンスにおける不動産の意味
Abstract
本稿は、ファイナンスにおける不動産の意味を整理したうえで、Yoshida (2008) を数式を使わず平易に解説したものです。土地供給の弾力性という不動産に関する基礎条件が、住宅価格と株価の相関、最適な株式保有比率、およびリスク資産のリスク・プレミアムに影響することが理論的に示されています。具体的には、日本のように土地供給の弾力性の低い経済では住宅価格と株価の相関は高く、従って株式の最適な保有比率は低いこと、またリスクの価格が高いためリスク・プレミアムが高く、あたかも国民のリスク回避度が高いように見えること、などが主要な結論です。