About

センター長の挨拶

植田 和男
東京大学金融教育研究センター
センター長
植田 和男

東京大学金融教育研究センター(Center for Advanced Research in Finance、略称CARF)は、アジア環太平洋における金融研究の中心的役割を担い、理論的ならびに実践的な金融研究を推進することによって、世界経済およびアジア経済の健全な発展に資することをミッションとしています。この目標を達成するために、CARFは国際的でオープンな研究センターを目指します。

世界経済におけるアジア経済およびアジア企業の重要性が急速に高まる中で、日本の金融・資本市場はアジア経済圏の発展に積極的な役割を果たさねばなりません。高度成長を遂げつつあるアジアの近隣諸国は、いま巨額の資金を必要としています。この成長資金を供給する金融センターとして十分な機能を果たすために、日本市場や日本の金融システムをどのように整備するべきか。そうした金融システムのデザインや政策提言、および革新的な資金運用・資金調達・リスク管理手法の開発を目的とした金融理論研究は、CARFの最も重要な研究テーマになります。また、過去の日本型金融システムの成功と失敗をミクロとマクロおよび理論と実証という多面的な側面から研究して、バランスのとれたアジア経済の発展を支援することも、CARFの重要な役割です。

CARFは、このような研究を3つの方針で推進していく計画です。第1は、世界から第一線の研究者を招聘し、最先端の理論、実証研究を推進することです。そのために各国の主要大学・研究機関と緊密な協力関係を結ぶことを計画しています。第2は、産業界や政策当局と連携して、産学共同、官学共同の研究プロジェクトを推進することです。企業、市場、経済の実態に関する実務家の知識・経験や実践的な問題意識とアカデミックな理論・思考枠組みを結合することによって、金融システムを正しく機能させるための政策を構想し、また革新的な金融技術や資金運用・リスク管理の手法を開発することを目指します。第3は、研究を推進していくために不可欠なデータベースの構築です。CARFでは、世界の金融資本市場をカバーする広範なミクロ・マクロの経済金融データ、中でもアジアの金融・資本市場に関するデータベースを充実させ、世界から研究者を集めて実証研究を推進する計画です。CARFの研究成果は、研究論文、書籍、ホームページ、ワークショップ、特別セミナー、国際コンファレンスなどさまざまな形で世界に発信していきます。

CARFは、21世紀のアジアをリードする金融研究を行う世界的拠点として、みなさまのご期待にこたえる活動を実施していきます。

概要

東京大学金融教育研究センター(Center for Advanced Research in Finance, CARF)は、金融研究・教育のアジアにおける世界的拠点となることを目的に、2005年4月東京大学に設置されました。当センターは、世界トップ水準の金融研究・金融教育を進め、21世紀の金融を担う研究者・リーダーの育成を行います。

CARFは文部科学省から「産学連携施設」に認定されており、その運営資金は政府支出のほか、広く産業界・金融界からの支援を受けてまかなわれています。

金融研究のアジアにおける最高・最大の拠点となることを使命として、CARFは以下のミッションを掲げています。

MISSION1
世界から第一線の研究者を招聘して、
金融経済学の先端理論研究を推進します。
MISSION2
質・量ともに充実した金融データセンターを構築し、
とりわけアジアの金融・資本市場に関する実証研究を推進します。
MISSION3
アジア経済のバランスのとれた発展を支援するために、
日本型金融システムの成功・失敗の経験を理論・実証の両面から分析し、
健全な経済発展のためにあるべき金融システムのデザインや政策提言を行います。
MISSION4
産業界・金融界と連携して研究開発を行い、
最先端の資金運用・資金調達・リスク管理の手法開発を行うとともに、
21世紀の金融を担う研究者、リーダーを育成します。

歴代センター長

2005年4月-2008年3月
氏家純一
2008年4月-2011年10月
貝塚啓明
2011年11月-2014年2月
新井富雄
2014年3月-2016年3月
植田和男
2016年4月-2017年3月
渡辺努
2017年4月-現在
植田和男

研究領域

当センターの研究領域は次の2つに大別されます。

物価・資産価格変動に関する研究

様々なモノやサービスの値段である「ミクロの価格」がどのようにして決まるのか,そしてそれが「マクロの物価」とどのように関連するかを解明します。日本の長期デフレなど各国の物価変動の理由を探るとともに,生活者の感覚に合う物価指数を開発します。また,株価,為替相場や不動産価格など資産価格変動の要因を実証的に解明します。

金融システム・バブル

金融システム研究では、貯蓄を投資へ誘導する金融システムの効率性と頑健性について分析します。金融危機はなぜ起こるのか、効率性を損なわずに頑健性を高めるような金融規制の在り方はどのようなものか、フィンテック等の新しい動きは金融仲介にどのような影響を及ぼすのか。金融政策はどの程度金融システムの問題に配慮しないといけないのか。これらの問題について、実務家、政策担当者とともに解明していきます。 バブル研究では、日本の80年代の地価バブルや2000年代の米国のサブプライム住宅バブルに代表されるような、資産価格の急激な高騰と暴落のメカニズムと、それがマクロ経済の変動にどの様に関連しているかと言うことを解明します。さらに、バブルの発生と崩壊における金融機関の役割を分析し、金融危機を防ぐための金融規制のあり方について提言を行います。

ファイナンス

状態空間モデル、ファジィ・システム、機械学習を活用した新しい資産運用法を提案しています。また、近年注目されている、ボラティリティの変動、信用リスク,担保契約等を考慮した金融資産価値の新しい評価方法や数値計算法の提案と、それらの数理的基礎付けを行っています。さらに、流動性の低い資産を原資産とするデリバティブの価格付けや、ビッグデータを用いた高頻度取引市場の分析、ホテルのrevenue managementの分析も行っています。

会計・コーポレートガバナンス

会計情報が証券市場で、あるいは当事者間における利害調整の局面で果たしている役割を解明します。これと併せて、会計情報を生み出している会計基準の体系がどのような理論に支えられているのか、その合理性も検討対象とします。後者については、国内基準と国際基準とがどの程度、またどのように統合されていくのかという問題にも取り組みます。

研究者はこちら

産業界からの支援

「東京大学金融教育研究センター」は文部科学省から産学連携施設の認定を受けた研究機関です。その運営は、国の予算と民間の寄附金でまかなわれます。現在、センターには次の企業からご支援をいただいています。

  • 第一生命保険株式会社
  • 野村ホールディングス株式会社
  • 株式会社三井住友銀行
  • 株式会社三菱東京UFJ銀行
  • FINATEXT
  • UTEC
  • SOMPOホールディングス
  • 東京海上日動
  • 日本生命

世界からのメッセージ