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概念フレームワークに関する分析視座

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Abstract

本稿は、国際会計基準審議会(IASB)による概念フレームワークに関して(1)これまでどのような学術的知見が得られ、(2)何が未解決の問題として残されているのか、の解明を主題としている。この問題に取り組むため、本稿では概念フレームワークを対象とした先行研究のサーベイを試みた。概念フレームワークに関する先行研究の多くは(a)概念フレームワークの公表を通じてIASBがどのような利益観に根ざした基準開発を進めようとしたのか、(b)概念フレームワークが依拠している事実認識は学術的な知見に適うものなのかなどを主題としており、これらの点については既に多くの学術的な知見が得られている。これに対し、既存の概念フレームワークがこれまで踏襲してきた様式などに固執することなく、概念フレームワークが果たしうる役割やその限界を問い直す先行研究もみられる。これらはいまのところ少数にとどまっているものの、既存の概念フレームワークが抱えている問題を解き明かすうえで重要な役割を果たしうるものと位置付けられる。その意味で、上記の点を主題とした概念フレームワーク研究には今後の発展が期待される。以上が本稿の主要な含意である。
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