ワーキングペーパー

会計

J-series

作成:

番号:CARF-J-117

四半期情報の開示と投資家の情報処理

著者:首藤昭信、杜雪菲

Abstract

本研究の目的は,投資家の情報処理の観点から,四半期情報開示のインパクトを検証することである。投資家の積極的な情報処理は,当該情報に対する投資家の情報需要を反映する。本研究はDrake et al.(2012) を参考に,企業名のGoogle 検索量指数で当該企業に対する投資家の情報処理活動を測定し,四半期情報開示による影響を調査した。その結果,(1) 異常Google 検索量指数が四半期情報開示日周辺で有意に高くなる,(2) その傾向が第2・3・4 四半期においてより顕著になる,という結果が観察された。これらの結果は,投資家が四半期情報を積極的に処理していることを示しており,四半期情報に対する投資家の高い需要を示唆するものである。四半期開示に関する政策的な議論が行われている中で,本研究の分析結果は,制度の見直しにとって有益な実証的証拠となることを期待している。

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