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番号:CARF-J-069

一般化双曲型非対称t 分布を用いた確率的ボラティリティ変動モデルの推定と株価収益率データへの応用

著者:中島上智/大森裕浩

Abstract

株価等の資産価格収益率におけるボラティリティ変動モデルとして, 確率的ボラティリティ変動モデルが注目されており, 近年, 様々な拡張が試みられている. 本稿では, 収益率分布の左右非対称性に注目し, 誤差分布として一般化双曲型非対称t 分布を仮定すると同時に, 収益率の低下が翌日のボラティリティの上昇を引き起こすという非対称性を考慮した確率的ボラティリティ変動モデルを, 米国株価指数S&P500 の日次収益率データにあてはめ, 実証分析を行った.モデルの推定法には, マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いたベイズ推定法を用い, 周辺尤度, バリュー・アット・リスクおよび期待ショートフォールを基準としたモデル比較を行った. その結果, 左右非対称な誤差分布を仮定することにより収益率分布の左裾をより正確に表現することができ, 周辺尤度や期待ショートフォールの精度を高めることが示された.

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